蔵の外壁板の張り替えの為古い板を剥がしてみましたら、板の裏側に写真のような落書きが見つかりました。
大工さんが、古い板も捨てるのが勿体ないので短く切って写真の台紙か額に出来ないかということで、切ってみましたら、焼き杉板の裏側に汚れた土埃の中からぼんやりと絵が見えましたので、洗ってみると写真のような絵が現れました。

(大工が木材に墨で線をひいたり図番を書いたりする時に使う墨壷と一緒に使う墨差しという竹で作った筆のような道具で書かれてあると思います。)
話が飛躍しますが奈良の新薬師寺の薬師如来像の台座から見つかった天平時代の大工の落書きの話を思い出しました。
天平時代 聖武天皇の病気平癒祈願に光明皇后がお建てになられた本尊の薬師如来像の台座の下の板の裏側には
「天平天平てんてん…」と書かれていたそうですが、
見つかったら殺されるかも知れない時代になぜ大工がそんなことをしたのでしょうか?
想像しただけで面白いですね。
ちなみに新薬師寺は薬師寺より古く、新しいという意味ではなく、霊験新たかなという意味です。
(私の好きなお寺のベスト3以内の寺院で、時々行きます)
話は戻って今回の絵も何を意味しているのか?何のために、いつの時代の大工が(おそらく江戸後期か明治・・・はたまたその時に古木を使っていたらもっと前の大工の絵?人物の頭に髷が載っていて衣裳もその時代のような気がしますが如何でしょうか?)
お昼休みで話はどんどん盛り上がっていきました。
早速お施主さんの奥様にみて頂きお渡ししました。
今夜はご家族で、御先祖様の話に発展されることでしょう。
「楽しい家づくり」を実感した出来事でした。
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